8 原発・エネルギー政策についての質問
8-1 原発推進の問題について
福島原発事故から14年過ぎ、いまだ2万5千人以上の人が避難し、緊急事態宣言は解除されず、事故原因も解明されず、燃料もメルトダウンしたままです。原発事故は、広大な地域の環境破壊、社会生活の破壊、健康破壊をもたらし、さらに賠償問題も残しています。
福島原発事故後、日本政府は、民意を反映して原発の運転期間を40年に設定し、新設もしないとし、再生可能エネルギーに切り替える政策へ変換が確認されました。ドイツ、イタリア、台湾も脱原発を達成しました。
しかし、日本は原発の運転期間を40年から60年以上に延長し、2025年に第7次エネルギー計画では、原発をベースロード電源とし積極的に利用し、再稼働と新設もしようとしています。
日本は、阪神淡路大震災以降、マグニチュード7.0を超える大きな地震が8件も起きている地震大国です。使用済み核燃料の処理方法も未解決です。
全ての原発は廃炉にし、再生可能エネルギーに転換すべきだと考えますが、お考えをお聞かせください。
①賛成 ②反対 ③その他
理由
(回答)
社民党 大西雅人 ☟
①賛成
核燃料デブリという日本。現代の世が生んだ怪物を前に、原発は必要だとか持続可能だとか言えるのが心底わかりません。我々の代で責任をもって廃炉にし、処遇の道を確立します。
日本共産党 すやま初美 ☟
①賛成
日本政府が国連に報告した削減目標、「2013年度比60%削減」(19年度比53%削減)は世界第5位の排出国である日本への要請に応えておらず、国際社会から強い批判を受けています。
日本共産党は、2021年に、省エネと再エネを抜本的に強化して、CO2を50~60%削減する提案をしましたが、その後の事態を踏まえ、取り組みを加速させます。2035年度までに2013年度比75~80%削減(2019年度比71~77%削減)をめざします。削減目標と計画策定を閣議決定だけで行うやり方を改め、気候危機打開基本法の制定などで、専門家と市民の参加を保障し、国会で審議・決定するようにします。
原発や石炭火力をやめることが本気度の試金石です。世界有数の地震国・津波国日本で、「脱炭素」と称して原発を稼働させることは、東電福島第1原発事故から14年の現実や能登半島地震などを見ても無謀です。原発の「最大限活用」、原発の新増設まで明記した自公政権のエネルギー基本計画の撤回、抜本的見直しを求めます。
国民民主党 水野こうすけ ☟
②反対
社会全体がDX化に向けて動く中、電⼒消費量の増加傾向は将来的に続く⾒込みです。発電効率が極めて⾼い原⼦⼒発電をベースロード電源とすることで、再⽣可能エネルギーよりも安定的かつ経済的な電⼒供給が可能になります。
れいわ新選組 つじ恵 ☟
①賛成
東日本大震災を含め、人は自然の怖さを恐れ、謙虚に振舞わないといけない。
立憲民主党 田島まいこ ☟
③その他
8-2 核燃料サイクルについて
1997年に完成予定であった六ヶ所村再処理工場は、28年経った今も完成の見通しが立っていません。当初予算の計画より4倍の3兆円に膨らんでしまいました。使用済み核燃料は、再処理後の用途も最終処分も見通せず、核燃料サイクルは破綻していると言わざる得ない状態です。
使用済み核燃料は放射能濃度も高く、臨界の危険性や発熱量も大きくイギリスもコスト高で撤退し、フランスのみ製造しています。
プルトニウムを利用するはずだった高速増殖炉もんじゅは頓挫し廃炉に向かっており、MOX燃料を利用できる原発は現在4基のみです。MOX燃料中のプルトニウムの放射線量はウランより高く、輸送上の容器破壊等の危険度が高いです。
コスト、危険度の大きさ、技術難度の観点から、核燃料再処理事業から撤退すべきと考えますが、いかがお考えでしょうか
①賛成 ②反対 ③その他
理由
(回答)
社民党 大西雅人 ☟
①賛成
おっしゃる通りです。
日本共産党 すやま初美 ☟
①賛成
原発の使用済み核燃料は、各原発と六ヶ所再処理工場で約2万トンが貯蔵されており、平均すればあと約6年で貯蔵能力の限界に達します。原発を動かせば使用済み核燃料の置き場所がなくなる状況です。再処理しても、使う当てのないプルトニウムと処分場の目途がない高レベル放射性廃棄物を抱え込むだけです。高速増殖炉「もんじゅ」は廃止、新たな高速実証炉開発も中止、再処理工場を廃止して核燃料サイクルからただちに撤退します。
使用済み核燃料の処分の手段・方法については、既定路線にとらわれず、専門家の英知を結集して研究・開発をすすめ、結論が出るまでは、政府の責任で厳重に管理します。
「原発ゼロ」実現後も残る「核のゴミ」や原発廃炉など「負の遺産」に取り組むためにも、原子力に関する基礎研究とこの仕事を担う専門家の確保・育成が必要です。原発の廃炉にいたるプロセスの管理、使用済み核燃料の管理などを目的とし、従来の原発推進勢力から独立し、強力な権限をもった規制機関をあわせて確立します。
国民民主党 水野こうすけ ☟
②反対
放射性廃棄物の処理や使⽤済燃料の再処理、原⼦⼒施設の廃⽌措置などのバックエンド対策については、国の責任において着実な前進を図るとともに、使⽤済燃料の処理・処分に関する⾰新的技術の研究開発を進めます。
れいわ新選組 つじ恵 ☟
①賛成
日本は核武装を断念していないが故に、原発に拘っている。反核を国策とし、原子力ムラを解体すべきである。
立憲民主党 田島まいこ ☟
③その他
8-3 気候危機対策としての原発
2023.8月に世界気象機関(WMO)とEUの気象機関コペルニクス気候変動サービス(CCCS)が、2023
年7月の世界平均気温が観測史上最高に達し、産業革命前と比べ1.5℃の上昇と発表しました。人為的な気候変動は、世界中のあらゆる地域で、多くの気象や気候に極端な影響を及ぼしています。
原発もCO2排出の削減効果のある電源の一つとされています。しかし、①原発は計画から開始まで、20年はかかり他の電源より長期化する。②設置する間、既設の電源に依存し、その間のCO2排出量や投資コストが最も高い。③原料の採掘から輸送までの粗精練工程のCO2排出量が加算される。④冷却に海水を使用し温排水を排出するため、海の生態系を壊してしまう。⑤温められた海水からは、溶け込んでいた二酸化炭素(CO2)が大量に放出されます。
原発は気候危機対策として有効とお考えでしょうか。
①原発は気候危機対策として有効である
②原発は気候危機対策にならない
③その他
理由
(回答)
社民党 大西雅人 ☟
②原発は気候危機対策にならない
おっしゃる通りの理由からです。
①原発は計画から開始まで、20年はかかり他の電源より長期化する。②設置する間、既設の電源に依存し、その間のCO2排出量や投資コストが最も高い。③原料の採掘から輸送までの粗精練工程のCO2排出量が加算される。④冷却に海水を使用し温排水を排出するため、海の生態系を壊してしまう。⑤温められた海水からは、溶け込んでいた二酸化炭素(CO2)が大量に放出されます。
日本共産党 すやま初美 ☟
②原発は気候危機対策にならない
政府は、原発を「脱炭素電源」と位置づけ、温暖化対策を原発推進の口実にしています。しかし福島のように重大事故が起これば、放射能汚染は極めて甚大なものとなり、地域社会が破壊され、被害から立ち直るには膨大な努力と時間が必要となります。大飯原発の運転差し止め訴訟で福井地裁が判示したように、「環境問題を原子力発電所の運転継続の根拠とすることは甚だしい筋ちがい」(2014年5月)であり、許されません。
原発関連でのCO2排出も相当量になることはご指摘のとおりです。
国民民主党 水野こうすけ ☟
①原発は気候危機対策として有効である
脱炭素化を求める世界的な流れが加速する中、原⼦⼒は発電時にCO2を排出しないという観点から、カーボン・ニュートラルに⼤きく寄与します。
れいわ新選組 つじ恵 ☟
②原発は気候危機対策にならない
気候危機対策と、原発存置は全く無関係である。
立憲民主党 田島まいこ ☟
③その他