9 平和の問題についての質問
9-1 軍備の拡大
2015年9月、政府は憲法で禁止されている集団的自衛権行使を可能にした安保法制を強行採決し、2022年には、岸田政権のもとで軍事費を5年間で2倍(GDP2%)、敵基地攻撃能力の保有などを盛り込んだ安保3文書を閣議決定しました。南西諸島へのミサイル基地建設と長射程ミサイル開発・製造・配備、巡航ミサイルトマホークの配備、イージスシステム搭載艦の建造、各地で大型弾薬庫の建設など軍備を拡張しています。
これらはこれまでの政府見解である「専守防衛」に逸脱し、憲法の平和主義に反すると思われますが、見解をお聞かせください。
①そう思う ②そう思わない ③その他
理由
(回答)
社民党 大西雅人 ☟
①そう思う
憲法の平和主義が形骸化するばかりか、緊張を高めるばかりであり安保政策とも完全に誤っています。
日本共産党 すやま初美 ☟
①そう思う
他国の領土に撃ち込む長射程ミサイルの実戦配備が始まり、高性能のミサイルの開発・生産や大型弾薬庫建設も急ピッチです。今年3月に発足した自衛隊「統合作戦司令部」は、「敵基地攻撃」にとって不可欠な、米軍と自衛隊の「シームレス(切れ目のない)な統合」のためであり、事実上、陸海空自衛隊を丸ごと米軍の指揮・統制下に組み込むものです。この一連の軍備拡大は、「専守防衛」からの逸脱であることはもちろんですが、そればかりでなく、日本の主権をも投げ出すものです。
敵基地攻撃能力を持つことは「抑止力の強化」という主張があります。しかし、こちらが恐怖を与えれば相手も恐怖で応えることになり、軍事対軍事の悪循環をエスカレートさせ、逆に戦争を呼び込みます。政府は相手国の報復攻撃を想定して、自衛隊基地の「強靱化」に加え、沖縄県先島諸島の住民全員の「避難計画」まですすめています。こんな危険かつ非現実的なやり方は許せません。
日英伊で共同開発する次期戦闘機の第三国輸出に足を踏みだし、日本を「死の商人国家」につくりかえることも憲法の平和主義に反する極めて重大な動きであり看過できません。
異常な軍備拡大の背景にあるアメリカ言いなりの政治から抜け出し、憲法の平和主義を活かした自主的な平和外交をすすめる国へ日本を変えていきたいと思います。
国民民主党 水野こうすけ ☟
②そう思わない
あくまで「抑⽌⼒」としての専守防衛であり、周辺の国が⽇本を攻撃しようとすることへの警戒を推し量っている段階と認識する。
れいわ新選組 つじ恵 ☟
①そう思う
憲法の平和主義に反する自公政権の軍事大国化は許されない。
立憲民主党 田島まいこ ☟
③その他
9-2 軍事費の増大
「中国脅威」や「台湾有事」を理由に、軍事費は13年間連続上昇し、2025年度予算は8兆7千億円にものぼり、他の予算に比較して断トツに上昇しています。今、市民は実質賃金が上がらない中で、米の高騰や物価高騰で生活苦を強いられています。
税金は、福祉や教育、医療、年金など市民生活の向上に資するように使われるべきだと思いますが、見解をお聞かせください。
①軍事費は増やすべき ②思わない ③その他
理由
(回答)
社民党 大西雅人 ☟
②軍事費は増やすべきではない
軍事費は減らすべきです。格差拡大、貧困の拡大が深刻な中、戦争のために税金を使う。狂っています。
日本共産党 すやま初美 ☟
②軍事費は増やすべきではない
物価高で国民生活はますます厳しくなっています。今年度の度政府予算では社会保障関係費、文教費、中小企業対策費など、暮らしの予算はどれも、物価上昇に追いつかない実質マイナスです。食料安定供給費は、米の価格も高騰して対策が求められているにもかかわらず実額でもマイナスです。その中で、軍事費(防衛関係費)だけは前年度比9.5%増と異常に突出しています。
軍事費増の突出は今年度だけではなく、2022年12月に閣議決定された「安保3文書」にもとづき、5年間で43兆円という大軍拡計画を立て、それ以降、軍事費は平均すると年に1.1兆円増えています。これは第2次安倍政権以降の10年間(0.7兆円、1年に700億円増)の約16倍という異常な増加です。3年前から1.6倍という増え方は、満州事変勃発(1931年9月)後の1932年度予算の軍事費が3年前から1.4倍となったのも上回り、戦時下に匹敵する異常な膨張ぶりです。
大軍拡によって暮らしの予算が圧迫されています。大軍拡が始まる前の2022年度を起点として、予算の政策的経費に占める主要経費別の構成比をみると、軍事費だけが4.2%ポイントも構成比を増やす一方、社会保障関係費が1.7%ポイントも低下したのをはじめ、国民生活関連は軒並みマイナスです。物価高騰に政府が無策なのも、こうしたゆがんだ予算の構造にしがみついているからです。
この大軍拡は、日本と世界の平和を脅かすとともに、軍拡増税や暮らしの予算を圧迫するものです。平和と暮らしを壊す大軍拡計画を中止し、軍事費を大幅に削減します。
国民民主党 水野こうすけ ☟
③その他
「中国脅威」「台湾有事」など「いまそこにある危機」に備えるため、防衛予算が年々増加傾向にあることは、ある意味「⺠主主義のコスト」と捉えることになる。
れいわ新選組 つじ恵 ☟
②軍事費は増やすべきではない
アメリカへの隷属を強める軍事費増大は認められない。
立憲民主党 田島まいこ ☟
③その他
9-3 軍拡増税について
増加する軍事費の財源について政府は2023年「防衛財源確保法」を成立させ、税外収入で4.6兆〜5兆円、決算剰余金の活用で3.5兆円程度、歳出改革で3兆円を捻出するとしましたが、それでも2027年度以降1兆円余りが不足します。これを補うため、2026年からは法人税とたばこ税、2027年度からは所得税の増税で賄うとしています。今後、アメリカトランプ政権は日本に対し更なる軍事費の増加を求めてくることが考えられます。
金額ありきの軍事費を見直し、増税をしないようにするべきだと考えますが、見解をお聞かせください。
①軍事費の拡大を見直し、増税しない
②軍事費の拡大は必要で、そのための増税は必要
③その他
理由
(回答)
社民党 大西雅人 ☟
①軍事費の拡大を見直し、増税しない
格差を是正しよう、暮らしを助けよう。そのための財源は調達しない一方戦争準備をするとなると本気。異常です。
日本共産党 すやま初美 ☟
①軍事費の拡大を見直し、増税しない
軍事費は、2022年度当初予算の5.4兆円から今年度8.7兆円にまで膨れ上がり、2027年度には国内総生産(GDP)比2%の11兆円規模まで増額させる計画です。さらに、トランプ米政権からは、“日本の軍事費は少なくともGDP比3%必要”との要求が出ており、今後の圧力は必至です。GDP比3%は約18兆円という規模です。「防衛財源確保法」やいまの増税計画で充たせる規模ではありません。すでに、軍事費は文教予算の2倍以上です。このような大軍拡をつづければ、さらなる増税や暮らしの予算の削減をもたらし、暮らしも経済も壊されてしまいます。
参院選では、減税や給付金などが議論になっています。その一方で軍拡のための増税をすすめるのは許されません。自公政権はもちろん予算に賛成した党には、参院選でこの点をはっきり説明していただきたいものです。
国民民主党 水野こうすけ ☟
③その他
防衛技術の進歩、宇宙・サイバー・電磁波などの新たな領域に対処できるよう専守防衛に徹しつつ防衛⼒を強化するため、必要な防衛費を増額します。
れいわ新選組 つじ恵 ☟
①軍事費の拡大を見直し、増税しない
トランプは、防衛費3.5%の要求も行ってきている。絶対に軍事大国化は許されない。
立憲民主党 田島まいこ ☟
③その他
9-4 日米地位協定の見直しについて
1960年に新・日米安保条約第6条に基づき日米地位協定が結ばれました。その間、在日米軍基地に由来する、事件・事故、環境破壊、騒音等多発しています。特に米軍施設の70%を有する沖縄では、強姦殺人を含む重大犯罪や米軍航空機の墜落・部品の落下のなど深刻な状況が続いていますが、政府は国内法を適用しないという立場を変えていません。しかし、同じく米軍基地を持つドイツ、イタリア、オーストラリア、フイリピンなどでは、国内法が適用され、市民の基本的人権、行政の権限を守るうえで厳しく適用されており、その情報開示権も裁判権もイニシアチブも認可国が持っています。全国知事会でも、2018年7月、2020年11月にも見直し決議が行われており、早々に不平等条約を見直すべきと考えます。
地位協定の抜本的見直しについて見解をお聞かせください。
①改正せず運用で対処する
②抜本的見直しをすべき
③その他
理由
(回答)
社民党 大西雅人 ☟
②抜本的見直しをすべき
どこを向いて政治をしているのか。今の地位協定のままでは米軍の意向ばかり気にしている。当然、抜本的な見直しが必要。
日本共産党 すやま初美 ☟
②抜本的見直しをすべき
一昨年12月に米兵による16歳未満の少女に対する性的暴行事件が発生し、しかも日本政府が半年間にわたり県に通報しなかったことが大問題になりました。その後も米兵による性暴力事件はなくなるどころか何度も繰り返されています。これは沖縄だけの問題ではありません。全国で相次ぐ犯罪や米軍機の事故、異常な低空飛行訓練など米軍の横暴勝手の根本には、植民地的特権を保障した日米地位協定があります。この異常な事態はもはや一刻も放置できません。主権国家として、また国民の人権を守り抜くためにも、米軍の横暴の根本にある日米地位協定を即時抜本的に改定すべきです。
国民民主党 水野こうすけ ☟
①改正せず運⽤で対処する
締結以来、⼀度も⾒直しが⾏われていない「⽇⽶地位協定」を⾒直し、⽇本に駐留する⽶軍は⽇本の国内法を原則守り、やむを得ない場合に限り、関連特例法等で例外を認めるものとします。
れいわ新選組 つじ恵 ☟
②抜本的見直しをすべき
日本はアメリカへの隷属を止めるべき。
立憲民主党 田島まいこ ☟
③その他
9-5 核兵器禁止条約について
核兵器廃絶と被爆者の救済を目指して活動してきた日本被団協がノーベル平和賞を授賞しました。しかし、日本政府はアメリカの拡大核抑止力に依存し、核兵器禁止条約を批准しないばかりか、締約国会議にも参加していません。
核戦争の実相を知る唯一の戦争被爆国として、アメリカの核抑止に依存するのではなく、日本政府は核軍縮・不拡散体制を構築すべく速やかに核兵器禁止条約を批准すべきと考えますが、見解をお聞かせください。
①批准すべき
②批准すべきではない
③その他
理由
(回答)
社民党 大西雅人 ☟
①批准すべき
批准しない理由が不明。核はあるべきではない。平和主義に立脚する。そう人々に説明するときにそれは嘘なのですかと。
日本共産党 すやま初美 ☟
①批准すべき
今年は被爆80年。核兵器使用の現実の危険が高まる中、核兵器禁止条約の役割はますます重要です。現在、署名国は国連加盟国の過半数に迫る94カ国、批准は73カ国に達していますが、唯一の戦争被爆国である日本政府は、締約国会議へのオブザーバー参加も拒否し、条約に背を向け続けています。アメリカの「核抑止力」に依存し、日米一体で強化しているからです。しかし、ヒロシマ・ナガサキの惨禍の非人道性を認めながら、核兵器の使用を前提とした「核抑止」政策をとることは根本的に矛盾します。それはまた、全人類の安全を危険にさらすものです。「核抑止」論から脱却し、核兵器禁止条約への参加を決断すべきです。
国民民主党 水野こうすけ ☟
②批准すべきではない
中国、ロシア、北朝鮮など⽇本周辺にある核保有国からの軍事的圧⼒に対し抑⽌⼒を保持することで、結果的に「戦争をしない社会」の構築につながる。
れいわ新選組 つじ恵 ☟
①批准すべき
唯一の被爆国として、世界に平和を発信するために、当然のこと。
立憲民主党 田島まいこ ☟
③その他
9-6 憲法「改正」問題
石破首相は、今年2月に憲法改正実現本部で「自民党結党70年の改正に向けた機運を高めたい」と発言し、憲法審査会では臨時国会の召集期限や首相の解散権の制限の問題などが議論されています。しかし、自民党の改憲案は、自衛隊の明記、緊急事態条項、合区解消・地方公共団体、教育充実の4項目であり、現行の憲法9条の平和主義を壊すものと考えます。
憲法改正論議についての見解をお聞かせください。
①憲法改正を行うべき
②憲法改正は行うべきではない
③その他
理由
(回答)
社民党 大西雅人 ☟
②憲法改正は行うべきではない
政治家ばかりが「改正だ!」といきり立っていますが、その必要はありません。憲法を守りちゃんと政治をするべきです。
日本共産党 すやま初美 ☟
②憲法改正は行うべきではない
現在の改憲の動きは、アメリカ言いなりに戦争する国家づくりを進めるものであり、許すわけにはいきません。同時に、戦前を美化し、憲法と戦後民主主義を敵視する人々は、選択的夫婦別姓・同性婚の実現を妨害し、学術研究を戦争国家づくりに動員する動きを強めています。平和と人権が脅かされています。いま憲法の議論をするのならば、日本国憲法を現実の日本の政治にどう活かすか、どこが実現できていないか、まず議論すべきです。
そもそも憲法は個人の権利を守るために、国家権力を縛るものです。まず憲法にあるとおりの政治を行う努力こそ強めるべきです。
日本共産党は、「個人の尊重」「法の下の平等」「幸福追求権」「学問の自由」をはじめ、憲法の全条項を守り、平和的民主的条項の完全実施のために闘い、自由と民主主義、個人の尊厳が花開く社会の実現へと全力をつくします。
国民民主党 水野こうすけ ☟
①憲法改正を⾏うべき
理由:憲法9条については、⾃衛権の範囲や戦⼒の不保持などを規定した9条2項との関係などの論点から具体的な議論を進める。
れいわ新選組 つじ恵 ☟
②憲法改正は行うべきではない
国民の生存を最優先で尊重すべきであり、軍事大国化、国権重視に向う憲法改正は絶対に反対である。
立憲民主党 田島まいこ ☟
③その他